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伝説の勇者なりきり部の奴ら:第14話 屋上で突然の告白

 階段を一段一段のぼるとね。姫野愛ひめのあいの足の動きがなまめかしくスカートからさ。チラリズムとうか、男のロマンというかね。お、が見えるのであります。

 

 あと、もう1回ぐらい言わせてよ。お、が見えるのであります。うはッ! 何なんですか、この悩殺は。俺を誘惑という名の最終兵器アヴァンチュールで殺す気ですか。

 

 俺はドキドキしながら階段をのぼっていくんだけどさ。姫野愛ひめのあいも無言のまま階段をのぼっているんだよ。もうね、俺は無言な状態をいいことにさ。お、のチラリズムを鑑賞する罪深き男と化してしまったんだ。やば、てへぺろ。使い方の意味違うかもしれないけれど、てへぺろぺろ……。

 

 俺、何かいやらしいな。変態ぽいよね。やばい、自分でも鼻息が荒くなっているのが分かるよ。やばい、やばい、やばいよ。ポッポートーマス。神様、もしもいるのならば今日だけはお、奴隷しもべになることをどうかお許しください。アーメン。

 

 それにしてもさ、おパンティには夢とロマンがあるんだよ。HK変態仮面って知ってるかい? 主人公は女性のパンティを被るとね。SM嬢の母親譲りの変態の血が覚醒してさ。変態仮面に変身するんだよ。俺もパンティを被ったらある意味覚醒しちゃうかもしれないよ。ポッポー。

 

 俺の妄想は頂点に達していくんだけどね。もしかしたら屋上で姫野愛ひめのあいに告らされちゃうのかなと身勝手にもほどがあるプラス思考が展開されていったんだ。もうね、以下、俺のスタンド名妄想の世界ザ・ワールドが炸裂しちゃうよ。

 

 ある晴れた学校の屋上での出来事である。姫野愛ひめのあい潤んだこいする瞳で俺を見てくる。それはそれは甘く、切ない、全ての恋する人たちへ捧げる究極の恋物語こいものがたり……。

 

姫野愛ひめのあい「あなたのことをずっと見てました♪」

神宮寺マモル「俺のおねしょのこと知ってるぐらいだしな。ふふふ……」

児童合唱団「でも、ストーカー♪」

 

姫野愛ひめのあい「あなたのことを知りたくて知りたくて♪」

神宮寺マモル「だから俺のいる高校に転校してきたんだろう。ふふふ……」

児童合唱団「でも、ストーカー♪」

 

姫野愛ひめのあい「あなたのことが好きなんです」

神宮寺マモル「みんなの前だから、あんなツンデレな態度だったんだろ。ふふふ……」

児童合唱団「でも、ストーカー♪」

 

姫野愛ひめのあい「二人きりになると猫みたいに私甘えちゃうんです♪」

神宮寺マモル「そんなことだろうと思ってたよ。ふふふ……」

児童合唱団「でも、ストーカー♪」

 

 俺の素晴らしきかな妄想の世界 完

 

 やばい妄想の世界に入り浸ってしもうた~。まぁいいや。この際ね、姫野愛ひめのあいがエースストライカーならぬエースストーカーだとしてもね。可愛いいしね、美人だしさ、まんざらでもないような気がしてきたよ。アイドル級に可愛い女子高生が実は熱烈なエースストーカーだっていいじゃない。何か究極の選択ぽいけどさ……。

 

 俺の妄想は都合よく一皿100円の回転寿司のように回りだしたんだけどね。つーか、ずいぶん安い妄想だけどさ。気づいたら俺と姫野愛ひめのあいは屋上の真ん中に到着していたんだよ。姫野愛ひめのあいは、屋上に到着するなり俺に向かって指差したんだ。

 

「お前の考えていることはすべてお見通しだぁ! 人が黙っているのをいいことに何がお、の奴隷よ。変態仮面とかバカじゃないの? しかも何であんたに好きですと告らないといけないのよ。妄想やばすぎ、手がつけらなすぎ! お願いだから、このビルからダイブしちゃって人生にピリウドうっちゃえばいいのに。それにやたらと『でも、ストーカー♪』って無礼にもほどがある。それでもあなた……ウヒョヒョヒョヒョヒョ!」

 

 そう言いかけて姫野愛ひめのあいは押しだまったというかさ。奇妙な笑い方をしてきたんだよ。俺に指差す姫野愛ひめのあいのポーズはね。トリックの仲間由紀恵を彷彿ほうふつとさせてさ。最後の笑い方なんてもろ影響受けてるでしょと突っ込みたかったよ。というか何で笑っているのよ。あんたの笑いの沸点分からねぇよ!

 

 つーかさぁ、今、俺の心の中は完全に読まれたんだぜ。それは姫野愛ひめのあいが普通ではないことの証明してるんだよ。むしろ、こっちの方がトリックにあっているような気分だよ。

「何で何で俺の考えていること読めちゃうの? 姫野愛ひめのあいってエスパー? むしろそれはそれで怖いんだけど。俺のおねしょのこといきなり知ってたし。ストーカーなの? 何なの?」

 

 俺は完全にテンパりながらもね。思ったことをまくしたてたんだよ。姫野愛ひめのあいの興奮はやや収まったようでもっともらしく咳払いをしたんだけどさ。

「ごほん、ごほん、私としたことがずいぶんと我を忘れてしまったわね。正直、あなたがこんな何弱、ある意味、エロ童貞野郎だとは思わなかったわ」

「童貞は余計だろ。エロは否定できないけれど。って、余計なお世話だわ!」

 

「どっから話したらいいかな。そうそう私はあなたが思っているエスパーだとかストーカーではないわ。何を隠そう、わたしはね、天界からやってきた天使で~す!」

 俺はそれを聞いた瞬間にね。ストーカーよりももっとも恐ろしい類のちゃんと認定したんだよ。

 

 俺が思うメンヘラーちゃんの特長なんだけどさ。自分がストーカーだという自覚症状がなかったりね。とある芸能人もしくは特定人物の恋人だと言いだすとかさ。もうね、いろいろあると思うんだよ。

 ※実際は違う。単なる熱烈なファンだったりするかもしれないが……。

 

 面倒だからね、その他もろもろさ、各自でぐぐって見てください。以上。

 

「メンヘラーちゃんって何よ?」

 だから俺の心の中を読むな読むな。姫野愛ひめのあいはがっかりしたように俺を見るとね。

「あなたは私の話が信じられないようね」

「当たり前だ」

 俺は即答で言ってやったんだよ。

 

 姫野愛ひめのあいは俺を聞き分けのない子供を見るようにいちべつするとさ。

「信じなさい」

 とまたもや言ってきやがった。俺は即答でね。

「嫌です」

 と言ってやったよ。そしたら、

「信じろー」

 ポコン。

 姫野愛ひめのあいは俺の頭をグーで叩いたんだよ。

「いたッ」

 お前は言うこと聞かない子供を叩いてしつける母親か! 頭痛いじゃないか。これ以上、頭がおかしくなったらどうすんだよ。

 

 つーか、天界からやってきた天使って誰が信じるかよ。もうね、今時、悪魔だとか出身地が地獄の都Bitter Valley地区とか言ってるのってさ。デーモン陛下ぐらいでしょ。悪魔なんて本当にいるのだろうか。あっ、でも、ひかるちゃんは信じているみたいだけどね。

 

「デーモン陛下が相撲場に出没しているみたいだけれど、どうやらまずは相撲界から己の手中に入れるみたいね。伝説の勇者なりきり部としては相撲界を救うべく旅立たねばならぬ時がきた!」

 なんて、妙に真剣にひかるちゃんが語っていたことがあったっけ。俺は冗談として受け止めていたけどさ。ひかるちゃんは本気で言っていたことなのだろうか。

 

 姫野愛ひめのあいは、そんな俺の思考に土足で進入するかのようにね。

「どう? これで信じる気になれたかしら?」

 と自信満々に言ってきやがった。

「だから、信じられるかよ」

 すかさず俺は反論したよ。

 

 姫野愛ひめのあいは無理矢理にでもさ。俺に信じさせるのが難しいと分かるとね。指を顎に触って、

「う~ん」

 なんて、うなっているんだよ。その声のだしかたってなまめかしいんですけど。俺なりの見解としてはね。男っていう生き物は視覚と声でやられてしまう生き物だからさ。でも、姫野愛ひめのあいのなまめかしい声音に騙されてはいけないよ。

 

 ぶっちゃけ姫野愛ひめのあいは危険だ。やばくて危険濃度100%だよ。ポンジュースのように甘酸っぱいと思ってはいけないよ。味わったら最後、タバスコのような辛さと痛さが待っているだろうよ。

 

「誰が危険じゃ!」

 ポコッ。

「いたッ」

 姫野愛ひめのあいの平手打ち炸裂。

 

「今ので分かったわ、マジ危険じゃねぇか!」

「こんな美少女を危険なんて言うのはあなたぐらいよ。私が天使だと信じられないのなら、神宮寺の父上が神様の子だったということは信じられるでしょ?」

 何を言ってるんだ姫野愛ひめのあい。オーマイガー姫野愛ひめのあい

 

「って……。信じられるわけ……。あれ?」

 俺は否定しようと言いかけたんだけどね。けれども待てよ待てよ。父親のぼるが亡くなる前にさ。俺を書斎に呼び出したあの出来事シーンを思いだしたんだよ。あの時、父親のぼるはこんなことを俺に言ってきたんだよ。

 

「あぁそうだとも、だって私は。私は神様と契約して書く能力をもらった。その時に神様と約束をしたのだ。物語を未完のままで終わらせてはいけないと。物語が未完で終われば大変なことが起こるだろうよと言われた。だからマモルに謝ったんだ!」



 



 父親のぼるが神様の子なわけないだろ。あれは父親のぼるがね。気が触れて言ったことなんだよ。

「ふぅん。あなたたち親子の間にはいろいろとあったようね」

 姫野愛ひめのあいは俺の心の中を読んだらしく事情をのみこんだようだった。あの頃の俺と父親のぼるとの確執を思いだすとさ。ふわりと力が抜けてしまってね。姫野愛ひめのあいに心の中を読まれてしまうことなんて、どうでもよくなってしまっていたんだ。

 

 だから、だから俺は……、

「あぁ、俺の大嫌いな父親のぼるとはいろいろとあったさ。最後の最後で自分が神様の子だとか言いやがって、気が狂って逝ってしまっ……」

 俺が最後まで言い終わる前にさ。姫野愛ひめのあいのビンタが俺の頬を直撃したんだよ。

 

「いたッ」

「甘ったれるんじゃないわよ。神宮寺の父上も自分が神様の子だと告白してるじゃない。なのに信じられないのは何なのよ!」

 姫野愛ひめのあいの怒りはさ、正直意味が分からなかったよ。

 

 俺は頬の痛みとかも忘れてね。ただ本当に思っていることを言うしかなかった。

「それは俺自身が神様なんていないと強く思っているからだ!」

 姫野愛ひめのあいは一瞬ひるんだように見えた。

 

 神様なんていない。

 

 そう、あれは俺が小学3年生の頃だ。

 

第15話 神様なんていないを読む