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伝説の勇者なりきり部の奴ら:第16話 バカでアホでエッチな犯罪予備軍

「バカでアホでエッチな犯罪予備軍の話をつけたしたろ!」

 ポコッ。

「いたッ」

 姫野愛ひめのあいのでこぴん炸裂。

 

「教育係に文句いわない逆らわない。じゃあキングオブおねしょ野郎に訂正しといてあげる」

「余計嫌だわ!」

 ポコッ。

「いたッ」

 姫野愛ひめのあいのチョップ炸裂。

 

「教育係に反抗的な態度とらない。危険分子として、鉄拳制裁でひねくれた性格を矯正しないといけなくなるよ」

 よっぽどお前の方が危険分子だよ。

 ポコッ。

「いたッ」

 姫野愛ひめのあいのキック炸裂。

 

「心の中でも思わないことね」

 姫野愛ひめのあいはサディスティックなまでに笑っているんだけどね。ほとほと疲れてきたよ。もうね、何でいわれなき暴力を振るわれなきゃいけないんだよ。姫野愛ひめのあいにムチを持たせたらさ。まるでSM嬢だよ。

 

「そうね、神宮寺の調教用にムチがあると便利かもね」

 姫野愛ひめのあいはサディスティックなまでの笑顔で言ってくるんだよ。

 お前は猛獣使いか。サーカス団にでもどこへでも行ってくれ。いらぬ情報を流してしまったよ。ここはとりあえず黙っていた方が得策かもしれない。

 

 姫野愛ひめのあいは俺が黙ったのを確認するとね。さらに語りはじめたんだ。

「神様といっても、いろいろな種類がいて死神とか福の神とか数え上げたらきりがないけど、神宮寺の父上は天地創造の神様の能力を与えられたようね」

「父親のぼるが天地創造の神様ってどういうこと?」

 俺は黙っていられなくなってしまってさ。ついつい質問してしまったんだよ。

 

「あんた大丈夫? バカなの? 天地創造は天地創造よ。新しい世界を創造していたの」

 姫野愛ひめのあいは呆れ顔で言うんだけどね。俺は何が何だか分からない。

「だから、どうことよ?」

「紙に新しい世界を天地創造し書き記していたのよ」

 姫野愛ひめのあいは淡々と言うんだけどさ。俺はうまく飲み込めなかったんだ。

 

 父親のぼるの書いた小説を読んだことはないけどね。有名な作家だったのは知っていた。

「つまり日々書いていた原稿は天地創造の行為ということなのか!」

 俺は信じられないという感じで言ったんだけどさ。姫野愛ひめのあいはおもむろに俺の頭を撫ぜてね。

「足りない頭でよく分かりまちたねぇ。えらいでしゅねぇ」

 なんて、言ってくるんだよ。

「俺は母親に誉めれた幼児か!」

 もうね、何で赤ちゃん言葉なの。こんな俺らの姿見られたら幼児プレーしている変態高校生と誤解されるだろ。思わずニヤけそうになってしまったじゃねぇか。

 

「アメとムチは教育には鉄則ですわ」

 正直、姫野愛ひめのあいのアメとムチはキモ……。

「うるさい! いつもの癖ででちゃったのよ」

 ぺしッ。

「いたッ」

 姫野愛ひめのあいのしっぺ炸裂。

 

「私はね、天界天下一幼稚園バトルスペシャリストの先生してたから」

 手を腰にあて自慢げに言う姫野愛ひめのあい

「え? 幼稚園なんてあるのかよ?」

 俺は驚いて聞き返したんだけどさ。

「そりゃね、あるわよ」

 なんて、姫野愛ひめのあいは当たり前のように言ってくるんだよ。幼稚園の先生かぁ。幼児たちが先生に抱きついたりね。この膨らんでるの何だろうとたわわなマシュマロちゃんを触って確かめたりさ。いろいろあったんだろうなぁ。

 

 俺も姫野愛ひめのあいにそんなことしていいのかなぁ。幼稚園の先生って……エヘヘ。やばい、俺の妄想が止まらないじゃねーか。第2の暴走機関車トーマスが覚醒しそうだよ。やめろ、俺の異能を発動させるな。トーマ……。おぉ、トーマよ。

「おい、そこのチェリーボーイ! あなたの妄想、今すぐ止めたろか」

 姫野愛ひめのあいは指をポキポキと鳴らしながら俺を見てくるんだよ。もうね、俺は身の危険を感じてね。

「いや、妄想打ち止めでございます。あははは……」

 なんて、笑ってごまかしたんだよ。

 

 姫野愛ひめのあいは真顔でさ。

「あんたが私に抱きついたり、触ってきたりしたら瞬殺するころすからね」

 なんて、言ってくる姫野愛ひめのあい、怖いんですけど……。まぁそんな感じでね、俺と姫野愛ひめのあいは屋上で、いろいろと話し込んでいたわけだ。しかもよりによってね。俺の17歳の誕生日に衝撃的な事実を知ることになるとは思いもしなかったよ。

 

 でも、未だに俺は神様の子だということを信じることができず、やっぱり口にだして言ったんだよ。

「急に言われても、やっぱり俺が神様の子だなんて信じられないよ」

「だまされたと思って信じなさい」

「う~ん」

 俺は思わずうなってしまったよ。

 

「つくづく優柔不断な男よね」

 姫野愛ひめのあいはため息をついたんだけどさ。お前にはがっかりだよという感じの顔で俺を見てくるんだよ。

「つーかさ、すぐに信じる方がどうかしていると思うんだけど、いきなり学校のクラスメイトがさ、俺、神様だからと言ってきたら信じるか? 普通信じないだろ」

 と難色を示しているとね。

 

「わたしは信じるよ、マーくん!」

「え?」

 そこへひかるちゃん登場がしてきたんだ。俺はひかるちゃんの不意打ちの現れ方にびっくりしちゃってさ。え? なんて変な声だしちゃったんだけどね。

「わたしは信じるよ、マーくん!」

 瞳をうるうるさせながら言ってくるひかるちゃん。やばい、この瞳にそんなことを言われたら俺は逆らえない。逆らいたくても逆らえない。

 

 というかさ、ひかるちゃん、俺と姫野愛ひめのあいの会話全部聞いてたの? 部室に行ってたんじゃないのかよ。

「ひかるちゃん、の話とか聞いていたの?」

 もうね、俺はおそるおそる質問したんだよ。

 

「へ? ?」

 ひかるちゃんの頭の中はね。はてなはてなになってしまったらしくてさ。おもむろにひかるちゃんは胸ポケットからポケットティッシュを取りだしたんだ。

「はい、ちり紙」

 と俺に渡そうとしてきたんだけどね。

「え?」

 今時、ティッシュのことをちり紙と言うなんてね。どんだけひかるちゃんはおばぁちゃんの影響受けているんですか。今度は俺の頭の中がはてなはてなになったんだけどさ。思わずポケットティッシュを受け取ってしまったんだ。

 

 何故ならばね、胸ポケットからティッシュが飛びでてくるということはだよ。ひかるちゃんのにおいがティシュにしみこんでいるということじゃねぇか。ぐふッ。俺は思わぬ財宝にひゃっほーしたんだ。

「あんたつくづく変態ね……」

 姫野愛ひめのあいはひとりごちたみたいでね。地元で有名な変質者を見るような冷め切った瞳で俺を見ているんだよ。

 

 俺はひかるちゃんのにおい付きティッシュという財宝を手に入れたのもあってね。そんな冷めた目で見られようとも動じることはないだろう。ぐふッ。俺は俺なのだ。我が道を行くのみじゃ、けっけっけ!

 

 事の成り行きが見えなかった俺はさ。受けとったティッシュをさりげなく、鼻をかむふりをしてね。一気にひかるちゃんのにおい付きティッシュをスーハー、スーハー吸い込んだんだよ。おぉ~、デリシャスと喉からでかかったのを我慢してさ。何事もなかったようにひかるちゃんにさ。

「何を信じているの?」

 なんて、聞いてみたんだよ。そしたらひかるちゃんはきらきらと目を輝かせながらね。

姫野愛ひめのあいさんがわたしたちの伝説の勇者なりきり部に入部することを信じているの」

 

 なんて、言ってきたんだよ。あっ! そっちの信じてるですか、そうですか。俺は拍子抜けしちゃってさ。それでいて父親のぼるが神様の子だとかね。俺が神様の血を引いているとかさ。知られていないことにほっとしたんだよ。

 

 おそらく今やってきたばかりなのだろうよ。ひかるちゃんの行動パターンからしてね。ひとりで部室にいてもつまんなくなってトイレに行ったんだよ。トイレですっきりしてさ。部室に戻ってもやることがないので屋上にきちゃったみたいな感じだろうよ。名探偵神宮寺マモルの推測おわり。そんな俺の推測をぶった斬るようにひかるちゃんは身を乗りだすとね。

 

姫野愛ひめのあいさん、こんにちは。私は星川ほしかわひかると言います。伝説の勇者なりきり部の伝説の部長です。マーくんから入部のお誘いを聞いていると思いますが、もちろん入りたいですよね?」

 なんて、ひかるちゃんは限りなく透明な瞳でさ。きらきらとしながら姫野愛ひめのあいに語りかけたんだよ。

 

 俺はひかるちゃんを失望させたくないしね。悲しませたくもないんだよ。姫野愛ひめのあいがそんな話なんてしてないわ。このバカでアホで変態野郎が神様の血を引いている話をしていたとかなんとか、意味不明の話をされた日には俺はもう生きていけないんだよ。

 

 ひかるちゃんのためにもさ。どうかどうか話を合わせておくれよ。お願いプリーズ。一生のお願いプリーズ。もしも願いが叶うのならば姫野愛ひめのあいさっき神様の話を信じるからお願いだよぉ。

 

 俺は必至の眼差しで姫野愛を見つめたんだけどね。長い思考に思えるかもしれないけどさ。その瞬間的な思考も含め一秒ほどの出来事だったような気がする。姫野愛ひめのあいはね、俺のことをちらりと見てにんまりとしたんだ。

 

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