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伝説の勇者なりきり部の奴ら:第17話 伝説のツンデレメイド

(神宮寺マモル、契約成立ね)

 

 そんな姫野愛ひめのあいの心の声がね。どこからともなく聞こえてきたような気がしたんだ。

星川ほしかわひかるさん、神宮寺からはいかに素晴らしい部活か聞いたわ。是非、私も伝説の勇者なりきり部に入部したいと思っているわ」

 姫野愛ひめのあいは、まさかのひかるちゃんの話に合わせる離れ業披露したんだよ。

 

 もうね、ちょっと姫野愛ひめのあいの行動に感激すらおぼえたんだ。見直したぜ姫野愛ひめのあい。悪魔のような女かと思ったけど、小悪魔ぐらいなんだな。

「やった~♪ 伝説の勇者なりきり部の部員が増えた~♪」

 飛び上がって喜ぶひかるちゃん。もっと飛び上がれ~、空高く舞い上がれ~、そしたらプルンプルン~とたわわなプリンちゃんがひゃっほう~。プッチンプリン♪

 

 姫野愛ひめのあいの射ぬくような視線が俺に突き刺さってさ。あなた目だけで十分、人間ひとり殺せますよ。俺が変なこと考えているように見えますかね? 至って健全な男子高校生だと思いますが……。俺は無理やり自分を正当化したんだけどね。

「わたし、姫野愛ひめのあいさんがクラスに転校してきた日にもしかしたら新しい部員がやってきたんじゃないかって、そんな気がしていたの」

 なんて、無邪気に言ってくるひかるちゃんなんだけどさ。あのうひかるちゃん、姫野愛ひめのあいがクラスで自己紹介してた時、あなた眠ってましたよね?

 

 ひかるちゃん、夢から覚めたら「私のハンバーグどこいった?」とか騒いでましたよね? 姫野愛ひめのあいはね、ひかるちゃんの天然パワーに押されつつ、

「私もどこかいい部活があったらなぁと思っていたところだからよかったわ」

 なんて、苦笑いしたんだよ。ひかるちゃんもつられて笑ったんだ。

 

 俺も姫野愛ひめのあいが話を合わせてくれたことに満足してさ。もちろん感謝もしたんだけどね。そちも悪よのうみたいな悪代官ばりに笑ったんだよ。これで万事、めでたし、めでたしだよ。

「じゃあ姫野愛ひめのあいさん、伝説の勇者なりきり部の部室を案内しちゃいま~す」

 ひかるちゃんはそう言うと手招きをしたんだよ。俺と姫野愛ひめのあいはひかるちゃんについていったんだけどさ。

 

 屋上の階段を下り。

 

 廊下を歩き。

 

 トコトコトコトコみたいな感じでさ。まるでRPGのパティーが列をなして歩くみたいな感じって言うのかな。ひかるちゃんは突如立ち止まってね。

「マーくんはこれ以上、ついてきちゃだめだぞ!」

 なんて、意味深なことを言ってきたんだよ。

「え? 何でよ?」

 伝説の勇者なりきり部の部室に行くんだよね? 俺は疑問に思いつつひかるちゃんを見るとさ。

 

「駄目なものは駄目なの!」

 なんて、ひかるちゃんは頬をぷくっと膨らまして言うとね。ちょっと歩いた先にある女子トイレに入っていったんだよ。ひかるちゃん、トイレに行きたかったんだ。つーか、俺が女子トイレの中までついていった日にはさ。学校中で変態現ると噂になるじゃねぇか!

「それはどうだかねぇ。変態現るなんて、神宮寺にとっての最高の誉め言葉よね」

 姫野愛ひめのあいの挑発的な毒舌炸裂。

 だから俺の心の中を読むな読むな。

 

「それにしても星川ほしかわひかるさんって不思議な娘ね」

「え? それってどういうこと?」

「いや、何でもない……」

 姫野愛ひめのあいは含ませる感じで言ってきたんだ。

 

 それにしてもトイレの出入り口付近で待たされるとね。ひかるちゃんがトイレの中でおパンティを脱いでさ。あぁ、あらぬことを想像してしまうのであります。あぁ、トーマス、本当にやめてくれ、頼むよなんて妄想しているとね。

「この、正真正銘のド変態め!」

 ドンッ。

「いたッ」

 姫野愛ひめのあいのハイキック炸裂。

 

 俺は姫野愛ひめのあいのハイキックにより身体が吹っ飛ばされてさ。女子トイレに入ってしまったじゃねーか。ゴルフで例えるならホールインワンだよ。

「ナイスショット!」

 なんて、姫野愛ひめのあいは吹っ飛ばされる俺を見ながら言ってきたんだけどね。おいおい、姫野愛ひめのあい! ふざけたこと言ってんじゃねぇよ。何がナイスショットだよ。俺はゴルフボールかよ。

 

 吹っ飛ばされた俺はさ。ちょうど女子トイレからでようとしていた女子とぶつかってしまったんだよ。

「きゃっ、変態! この人、痴漢だわ」

 女子トイレにいた女子が俺を見て悲鳴をあげたんだけどね。俺は慌てふためきながらさ。

「いや、ちが……う!」

 誤解を解く間もなく、女子トイレにいた女子はダッシュで逃げて行ってしまったー。オーマイガー!

 

 そこへ、すっきりした表情でひかるちゃんがトイレから爽やかエレガンス風に登場してね。女子トイレの中でひかるちゃんと俺の目と目は合ってしまったんだよ。やばい、ひかるちゃんからも変態扱いされてしまう。それだけは避けたかった。それだけは避けたかったと思っているとさ。

「マーくん、ついてきちゃだめでしょ。うちのポチだって、ちゃんということ聞くのにぃ~」

 なんて、頬をぷくっと膨らませるひかるちゃん。

 

 俺は犬以下ですか、そうですか。姫野愛ひめのあいはサディスティックなまでの笑みを浮かべながらね。

「この学校に変態が出没しましたぁ。110番通報しまーす」

 と、止めを。

 

「この学校に女子生徒を狙う変質者が出没しましたぁ。至急! 女生徒は非難してください」

 と、さらに止めを。

 

 姫野愛ひめのあいよ、俺に止めを刺して楽しいですか。

 

 以降、俺は女子トイレに進入した変質者として学校中に知れ渡る存在となった。

 

 一部、男子どもからは伝説の勇者なりきり部からさ。ほんまもんの伝説の勇者が誕生したとバカにされてね。クラスの何たるかを知っている風を装う女子からはさ。

「トイレに入る時、近くに神宮寺変態がいないか確認してからじゃないと怖いと思うの。本当に怖い世の中よ、変質者がクラスにいるのだから……」

 なんて、言われる始末だしね。

 

 神様デビューじゃなくて変態デビューですか、そうですか。

 

 まったく……。もうね、踏んだり蹴ったりだよ。

 

 そんなことがありつつさ。俺たちは伝説の勇者なりきり部の部室に到着したんだよ。ひかるちゃんが部室を姫野愛ひめのあいに案内したんだけどね。

姫野愛ひめのあいさん、ここが我ら伝説の勇者なりきり部の旅立ちの村となる部室です」

「へぇー、ここが部室ね」

 姫野愛ひめのあいはキョロキョロと周りを見渡しながら言ったんだよ。

 

「うん、ここで伝説の勇者なりきり部の活動しているの。ちなみにわたしが伝説の部長です」

 ひかるちゃんもつられてキョロキョロ周りを見渡しながら言ったからさ。俺もキョロキョロと姫野愛ひめのあいとひかるちゃんのたわわに実った膨らみ具合の差を悟られないように堪能したんだよ。

 

 判定の結果を発表します。

 

 ひかるちゃんの圧勝!

 

 姫野愛ひめのあいがキィーと俺を睨んできたよ。やべー気づかれた。つーか心の中を読まれたよ。俺は口笛なんか吹けやしないのにね。無理矢理にでも吹きはじめてごまかそうとしたんだよ。そんな俺のごまかしを姫野愛ひめのあいは悟ったのか、分かったのか知らないんだけどさ。

星野ほしのひかるさんが伝説の部長なら、神宮寺は伝説のエロ奴隷ということかしらね?」

 姫野愛ひめのあいのサディスティックなまでの仕返し的発言炸裂。

 

 何ですか、その身分制度は! エロは余計だと思うんですけど。奴隷なのに伝説になんてなりたくねぇー。そんなことを言ってくるんだったらね。じゃあ姫野愛ひめのあいは伝説のツンデレメイドだなと思ったよ。

 

 今までの発言からしてツンデレっぽいしな。ふふふ。いかん、妄想が、トーマスが、暴走機関車が、押し寄せてきちゃったよ。そして、俺は妄想の世界へどっぷりと沈んでいくことになったんだ。




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 以下、とある萌え屋敷での出来事。



 姫野愛ひめのあい「ご主人様、部活いっしょにがんばるにゃん♪」

 神宮寺マモル「姫野愛ひめのあいはイメージ的に猫というよりも女豹だね。ふふふ。いっそのことひかるちゃんも伝説の部長メイドになるかね。ふふふ……」

 

 星川ひしかわひかる「ご主人様、メイドになるにゃん。嬉しいにゃん♪」

 神宮寺マモル「ひかるちゃんはイメージ的には幼な妻のような子猫だね。ふふふ。じゃあ俺は奴隷は世を忍ぶ仮の姿で、本当はご主人様だ。ふふふ。ふははは……」

 星川、姫野「「にゃん。にゃん♪」」

 

 神宮寺マモル「姫野愛ひめのあい、俺の肩をもみなさい。ひかるちゃん、俺にひざまくらして耳かき頼むよ。ぐふふ……」

 星川、姫野「「やるにゃん♪」」



 とある萌え屋敷での出来事 完




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 俺がとある萌え屋敷での出来事の世界に浸りこんでさ。にやけているとね。

「このド変態野郎×100斬り!」

「いたッ」

 姫野愛の平手炸裂。

 

「ちょっといきなり何するのよ!」

 俺は叩かれたところを押さえながら言ったんだけどさ。

「ごめんなさいね、悪い虫が頭にとまっていたから追い払おうとね」

 なんて、姫野愛は言ってくるんだよ。俺はぶたれた頬を押さえながらね。

「嘘つくな。俺を叩きたかっただけだろ」

 本当に姫野愛ひめのあいは口よりもすぐ手がでる凶暴な奴だよ。

 

 俺の理想郷もうそうをぶち壊しやがってさ。

「ねぇねぇ、マーくんの頭にどんな虫がとまってたの?」

 身を乗り出して興味津々なひかるちゃん。うはっ! その身の乗り出し具合何なんですか。もしもひかるちゃんが水着姿だったらね。それ悩殺ポーズだよ。なんて、俺が興奮しているとさ。

 

「いわゆるバカにしかとまらない『』ね」

 なんて、姫野愛ひめのあいは言ってくるんだよ。

「適当なこと言ってんじゃねぇよ。そんな虫聞いたことないから」

「そうなんだ」

 すんなり納得するひかるちゃん。そこはひかるちゃん、否定するなり俺のフォローに回ってよ~ひかるちゃ~ん。ざまー見ろという感じで姫野愛ひめのあいは俺を見ているんだけどね。

 

 どうやら勝利の女神は姫野愛ひめのあいに微笑んだようだ。

「マーくんが伝説の奴隷かぁ。それはそれで面白いかも」

 なんて、楽しげに話にのっかるひかるちゃん。ひかるちゃんまで、そんなこと言わないでおくれよ~。

 

「ちょっ、俺は全然面白くなんかないんだからね。部活の立ち位置が伝説の奴隷って、どんな罰ゲームなんだよ!」

 俺は納得はいかずにさ。ぶーぶーぶー。そんな様子をひかるちゃんは察したのか、

「でもマーくん、ドラクエ5でも主人公は元奴隷だったんだから大丈夫だよ」

 なんて、ひかるちゃんなりのフォローがあったんだよ。

 

「そうは言うけどね、ひかるちゃん。伝説の勇者なりきり部で奴隷になったら最後、一生奴隷の立ち位置からはい上がれないような気がするんだよなぁ……」

 あくまでも食い下がる俺。

「お前は一生奴隷だよ。はい、神宮寺の話は終了な。終わり終わり~」

 なんて、姫野愛ひめのあいが無理やり話をまとめようとしてきたんだよ。

「は?」

 俺は思わず声が裏返ったよ。姫野愛ひめのあい、何なのこいつ! お前、絶対、真性サディスティックだろ!

 

「うん、終わり終わり~」

 ひかるちゃんまでもがね。真似をして終わり終わり~と連呼してきたじゃねぇか。もうね、ちょっとひかるちゃん、それはないでしょ! 真似したい気持ちは分かるけども。

「じゃあ神宮寺が奴隷として生きていくならわたしは伝説の将軍でいいや」

 姫野愛ひめのあいのキラー発言が突然炸裂。

 

 慌てた俺はさ、

「誰も奴隷として生きていくなんて言ってねぇよ。新入部員のくせに姫野愛ひめのあいが伝説の将軍なんてずるくね?」

 なんて、不満たらたらに言ってやったよ。駄々っ子のように暴れたい気分だったんだけどね。姫野愛ひめのあい、本物の将軍のように微動だにせず一言。

 

「ずるくはない。奴隷の分際で私に意見なんて十年早い。以上! もう、お前とは話す必要もない。以上!」

 姫野愛ひめのあい、お前どんだけ頭おかしんだよ。マジ、ファンタジーの世界にでてきそうな将軍気取りだな。俺はさらに不満たらたらになったんだよ。どうにもこうにもこのままじゃね、埒があかない感じとなり……。 

「はい、姫野愛ひめのあいさんは伝説の将軍、マーくんは伝説の奴隷、私は伝説の部長、改めてよろしくお願いします」

 

 なんて、半ば強引な決め方のひかるちゃんはさ。丁寧にもほどがあるぐらい、ぺこりとお辞儀したんだよ。まるで役職を決める儀式だったかのようにね。

「ちょっ、伝説の奴隷って……!」

 俺は否定しようと口をもごもごしはじめたんだけどさ。姫野愛ひめのあいは俺をさえぎって割り込んできてね。

 

「それでいいと思う人は手を挙げて~」

 

第18話 キモポエマーを読む